口腔内細菌ケアに照準をしぼった犬用/猫用の乳酸菌サプリ「Oral乳酸菌」の販売を開始しました。
Oral乳酸菌の特徴
口腔ケアに実績のある乳酸菌を5種を使用
- 「歯周病菌」および「う蝕菌(虫歯菌)」の双方に対して抑制の報告がある乳酸菌5種類を厳選
- 上記乳酸菌を生のまま冷凍で使用
- 歯周病菌抑制の報告のある生きた酵母を使用
- 歯周病菌抑制の報告のあるプレバイオティクス、ビートオリゴ糖を配合
口腔細菌ケアの視点で厳選した素材を高濃度で配合しました。
腸内環境へも好影響
今回採用した成分は全て、腸内環境にとっても好影響を与える報告があがっているもの。口腔内をケアしながら、同時に腸内ケアも可能なサプリに仕上がっています。
生きた細菌の機能を保つための冷凍サプリ
生きた細菌は冷凍保管が鉄則であるにもかかわらず、世にあるサプリのほぼ全てが常温で流通しているという現実があります。
私たちは、実際に摂取した成分が口腔内細菌、腸内細菌にどういった好影響を与えるかまでを検証した上で、冷凍サプリという選択をしました。
Oral乳酸菌の発売の背景
腸内から歯周病菌が検出される
私たちは、ペットの腸内細菌解析「byOm(バイオーム)」の事業を通じて、愛犬/藍猫の腸内細菌や口腔細菌のデータを多数蓄積してきました。
その中で、腸内から歯周病菌が多く検出される事例がしばしば見られることに気づいていました。その内のいくつかは口腔や周辺で不具合が進行している可能性が高いにも関わらず、飼い主さんも獣医さんもまったく感知していませんでした。
一方で、口腔トラブル進行の可能性を知りながらも、それに対する解決策を弊社で提示できないというジレンマがありました。よって、蓄積したデータや多数の文献を元にサプリ開発に着手しました。
副鼻腔炎が軽減する
他社製品も含め、いろいろな成分で検証をする過程で、試験台となった社内スタッフの副鼻腔炎が軽減するという成功事例がありました。
これに先立つ自社ラボでの細菌解析の結果、このスタッフの副鼻腔炎は歯周病菌の一種が関与している可能性が分かっていましたが、実際に乳酸菌群摂取によって副鼻腔炎は軽減に向かい、事後の細菌解析では歯周病菌たちが大きく抑制されていることがわかりました。
犬や猫の口腔内で増殖する歯周病菌や、それらを抑制する乳酸菌たちは人間と多くが共通することが分かっているため、最終的な微調整を経た上で、犬用/猫用として販売を開始しました。
商品ページ:https://fore-ma.com/products/385
犬と猫の口腔細菌について
虫歯菌は少ない
人間が歯医者さんのお世話になる場合、多くの人は虫歯を思い浮かべるのではないでしょうか? ところが、犬や猫の口の中では虫歯菌は微量な存在でしかありません。これは犬や猫の口腔環境が人間よりも弱アルカリ性に傾いていることも関係します。虫歯菌は弱酸性環境で生存が有利になるため、犬や猫のお口の中では勢力拡大に至る事例は多くありません。
人間の口腔で虫歯菌といえば Streptococcus mutans (ミュータンス菌) が有名ですが、犬や猫の場合はStreptococcus ratti という、動物の虫歯菌が見られる場合があります。ネーミング通り、ネズミから発見された虫歯菌の仲間です。
歯周病菌は人間と共通することが多い
虫歯菌と異なり、歯周病菌は弱アリカリ性で有利になる傾向があり、犬や猫のお口の中では虫歯菌よりも立場が強くなります。Prevotella intermedia や Dialister pneumosintes といった、人間でよく見られる歯周病菌は、犬や猫の口腔でも同様に存在し、環境が悪化するほど増加する傾向があります。
また、大腸がんやアルツハーマーなどにも関与するFusobacterium nucleatum や Porphyromonas gingivalis といった重要な歯周病菌たちも、同様に犬や猫の口腔においてしばしばまとまって検出される存在です。
病原性細菌が多い
犬や猫の口腔で、特に顕著なのは感染症の原因となる細菌たちが多く含まれている点です。
例えばパスツレラ症で知られるPasteurella(パスツレラ属)は、健常な個体であっても一定量の検出があります。パスツレラ菌は猫が保有すると思われがちですが、犬も比較的多めに保有しています。また、牛パスツレラ菌も同様に犬や猫から普通に検出されます。
髄膜炎菌などのNeisseria(ナイセリア属)も犬や猫の口腔においては常連で、人とペットの大きな違いの1つと言えます。
飼い主と共有する場合がある
当然ながらペットと飼い主は細菌を共有する傾向があります。特に普遍的な存在である大腸菌や黄色ブドウ球菌は日常的に行き来しているように見えます。
例えば、黄色ブドウ球菌の薬剤耐性株が飼い主さんから検出された場合、飼い犬の口腔からも同じ株が検出される事例はしばしば見られます。
一方で猫の場合は、飼い主さんと細菌を共有する傾向はとても小さく、犬との行動様式の違いが明確な結果となっているようです。逆に猫同士では細菌を共有する強い傾向があり、とても興味深い事象と言えます。
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